とにかく元気を出すことだよ
私は仕事を休んで仮想通貨をやっている。
会社を休んでいる公式の理由は「うつ病」だった。
だが実態は、なんのことはない。
嫌んなっちゃったのだ。
取引先のオラオラ系商社マンに罵倒され、上司からも罵倒され、社内の関係部署の奴からも「死ね」と言われたので引き際だと思ったのだ。
もともと大学で哲学を専攻していた私が、よく見る大企業のマークに惹かれて就職説明会に参加したら、そのままの流れで面接、内定、という流れだったので別に好きで選んだ仕事ではない。
好きな仕事をしている人は幸せだと思う。
高待遇だとは思うが、決して好きな仕事ではなかった私にとって、精神科医の「うつ病」診断書は渡りに船だった。
最長2年くらい休めるので、遊ぶか、自殺するか、転職するか、旅行でもしようか、ワクワクしていた。
抗うつ剤は飲まなかった。
だってそんなん飲んだら人が変わっちゃうかも。怖いジャン。
そう思っていたのが昨日までの話。
昨日の夜、泥酔した私は、友人から譲り受けた変なハーブを吸い、睡眠薬と弱めの安定剤を飲んだものの、やたら元気で眠れなかったので、好奇心からついに「抗うつ剤」に手を出した。
明日の朝は二日酔いで午後まで起きれないだろうなぁ・・・と思っていたら、爽やかな朝を迎えたのでビックリした。
なんか知らんけど、やる気が漲る。
なんもやることないけど、何か前向きなことがしたい!
私はパソコンを立ち上げると、今まで面倒でやってなかったクソ作業を終わらせ、颯爽と街に出た。
道ゆく人たちを目で愛でながら、珍しく洋服屋などを見て回り、「普通の人」みたいに散歩を楽しんだのだ。
なんだ、世の中の人ってみんな、抗うつ剤でも飲んでんじゃねーの?
そう思った。
普通にやれば普通にできる。
ゆううつなんて吹き飛ばして、君も元気出せよ。
アホか、と思っていた歌のフレーズも本当のことに思える。
抗うつ剤ってすげーな。