これが人生ですか?

ホントに?

古い本はいい、でもお金はもっといい

古い本はいい。

 

図書館で書庫なんかに収められてるやつはいい。

 

背表紙の裏側に、57.01.26などという昔の日付がスタンプされている。

最初に借りた人の返却日だ。

いまみたいに電子カード化される前の遺物だ。

 

軽い遺跡めぐりみたいにして楽しめる。

この本は、私が生まれるより前に出版され、私が3歳の時に初めて貸し出され、今に至るまで幾人かの人々の手を渡り歩いてきたようだ。

 

そして何かしらの感興を、それらの人々の心に呼び覚ましたり、そうでも無かったりしたことだろう。

 

そういうのって、なんとも胸熱ではないか。

 

その間に、世の中ではいろんなことが起こった。

国が生まれたり消えたりも(たぶん)した。

大金持ちが最底辺に落ちたり、最底辺から大金持ちになったりした人も(少しは)いる。

40年と言えば、人が生まれ、ヒーローになり、堕落して、再起するのに十分な時間だ。

場合によっては、生まれ、死んで、そして忘れられるのにも。

 

その間、このコリン・ウィルソン著『アウトサイダー』は、その特徴的な表紙とともに、ただ今日この日に、私に出会う事だけを待っていたのだ。

 

アウトサイダー (集英社文庫)

アウトサイダー (集英社文庫)

 

 こんな感じの本が、昔から好きだった。

表紙の感じ、タイトル・・・

 

コリン・ウィルソンというのは、労働者階級の家に生まれ、職を転々としながらこの本を書いた人だ。

 

そう、フランツ・カフカチャールズ・ブコウスキーみたいに。

 

カフカに至っては、生前はただの公務員であり、全くの無名であった。

 

死後、もはや古典である『変身』が、世界中で読まれ続けている。

 

無名であるとはどういう事だろう。

これといった感情もなく、訴えるべき主張もない、特徴のない人、と周囲に思われながら一生を終えるということは。

 

本人よりも、その著書の方が、世界中の人々の心にキスするようになるということは。

 

歴史に名を残すというのはどういうことだろう。

私も若い頃に、それだけが生まれてきた理由であると思っていたことがある。

つまり、世界中の人々の心にキスすることが。

 

時を経て、いまは「お金を稼ぐこと」のためだけに生きていると思っている。

不思議なものだ、10年もあれば人は変わってしまう。

 

世界中の人々の心なんてどうでもよくて、世界中の人々が参加している金融市場から一円でも多く自分の懐にお金を手に入れることが、今の私の関心の全てだ。

 

そんなわけで、次回は金融、というか投資の話がしたい。